百人―首でもお馴染みのこの歌は、モミジの葉が散って龍田川―面を真紅に染めたさまを“あのなんでもある神代ですら聞いたこともないほどのみごとさ”と感動し、詠んだものです。
古来、日本人に最もよく親しまれている秋の風物のモミジ、昔は紅葉することを“もみづ”といったため、モミジ(紅葉)とも呼ばれるようになりました。―方、モミジは“カエデ”とも呼ばれていますね。これは葉の形が“蛙の手”に似ているので“蛙手”が“カエデ”となったようです。
日本では葉が“手”の形をしているイロハモミジ、ヤマモミジなどが知られていますが、実はいろんな種類があり、世界各国に自慢のカエデがあるのです。例えばシロップが採れる「Sugar Maple」。このカエデはカナダの国旗でお馴染みの、槍の刃先のような形をしています。
ところで、なぜモミジは紅葉するのでしようか?少々、そのメカニズムに迫ってみます。
モミジに限らず、葉っぱの色というのは「細胞に含まれる色素の種類と量」によって決まります。通常は葉緑素が圧倒的に多いので、青々としてるわけですが、葉っぱはそのほかにも紫赤色(アントシアニン)や黄色(カロチノイド)の色素をもっています。だんだん気温が下がってきて、まず葉緑素が分解されて少なくなると、残った色素である赤紫色や黄色が登場してきて紅葉・黄葉するのです。各地の紅葉(黄葉)の時期や特徴が微妙に違うのは、気温や気候の変化によるものなんですね。
紅葉の名所は数知れずありますが、北海道は豊平峡で9月下旬から始まり、九州は高千穂峡、露島で10月下旬が見ごろというところでしようか。さあ、この秋“紅葉狩り”を計画してみませんか。 |