花の少ない夏に、強烈な日差しを受けて咲き誇るキョウチクトウ。太陽を好む常緑樹で、青空が似合います。インドや中近東など熱帯原産の植物で、日本では中国を経て、江戸時代に渡来しました。葉が竹のように細長く、花が桃の花に似ていることから、竹と桃が合わさったものという意味でこの名前が付きました。
ふつう植物というのは、排気ガスなどの公害には弱いものですが、キョウチクトウは公害にも強いため、高速道路の中央分離帯、生垣、街路樹などによく用いられ、都市の緑化に大変役立っています。
キョウチクトウが排気ガスに強いのは、植物が光合成を行う際に二酸化炭素・酸素などを出し入れする「気孔」と呼ばれる部分に、ほかの植物に比べて多数の毛が生えていて、これが体内に入る有毒ガスやゴミなどを除去するフィルターの役割を果たしているからです。要するに、人間の鼻毛と同じような役割を持っているというわけです。
原爆で被災した当時の広島の街では、生命力の強いキョウチクトウが、被災時の盛夏の花として市内各所に植えられました。そして原爆被害者への慰霊の意も込めて、広島市の花に選定されています。 |