お彼岸も終わり、朝晩の空気がひんやりとしてくる時季、どこからともなく漂ってくる、甘く心地よいモクセイの香りに誘われたことはありませんか?
モクセイは、植物学的にはモクセイ科モクセイ属の常緑小高木で、生まれは中国です。
日本へ渡来したのは古く、名前は漢名「木犀」をそのまま音読みにしたといわれていますが、中国では別名「桂花」ともいいます。
その名のとおり、観光地で有名な桂林がモクセイの故郷で、桂林ではいまでも街中にモクセイが植えられ、秋の花時には街全体がモクセイの香りに包まれるそうです。
モクセイ属には15種あり、わが国のヒイラギもこの仲間になりますが、一般には橙黄色の花が咲くキンモクセイ、淡黄色のウスギモクセイ、白色花のギンモクセイが有名です。
この仲間は雌雄異株で、雄木と雌木があり、わが国で多く見られるキンモクセイもやはり雌雄異株。
しかし中国からきた株はすべて雄株であったため、あれだけ無数の花を咲かせても実はなりません。 ただ最近は、キンモクセイは日本でウスギモクセイから見い出され栽培化された、という説が有力視されています。
ひところは、東京などの市街地でさっぱり花付きが悪くなったといわれましたが、これはモクセイがスモッグなどの大気汚染に大変敏感で、空気が汚れ、紫外線が減ると花を付けなくなってしまうからだといわれています。しかし、数年前から昔ほどではありませんが、東京でも花付きがもどってきました。行政の大気汚染防止策が効果を発揮しているのでしょうか。
いずれにせよ、モクセイがよく咲くところは、それだけ空気がきれいだといえるようです。
それでは最後に、モクセイを詠んだ歌を一首。 |