日本の代表的な広葉樹のひとつであるケヤキは、庭木、公園樹、目抜き通りの街路樹などのほか、箒型のすっきりと伸びきった美しい樹形が好まれ、学校やゴルフ場などでも、景観の中心となるシンボルツリーとしてよく用いられます。また、仙台の「ケヤキ祭り」や東京・表参道のケヤキ並木などでは、ライトアップされたケヤキが人々の目を楽しませてくれます。
ケヤキは、各地に樹齢数百年の巨木が残されており、寺社境内のご神木とされている例も多く、鶴岡八幡宮境内には幹周り3メートル余りのケヤキがあり、鎌倉市の天然記念物として指定されています。
また、水湿に耐え、保存性が高いことから、寺社建築の構造材としても広く利用されるほか、木目が美しいうえに狂いがほとんど生じないので、座卓、箪笥、卓袱台などの伝統的な家具、欄間、衝立などの建具や食器、漆器用の木地など、身近なものにも幅広く使われています。
ケヤキの歴史は古く、さかのぼれば、福井県三方町の鳥浜縄文遺跡からもケヤキの木製品が出土されているのですが、不思議なことにケヤキ(欅)の呼び名は室町時代以前の文献に見ることができません。
実は、古い時代では、ケヤキではなくツキ(槻)と呼ばれていたのではないかというのが定説です。美しく優れた特性をもつケヤキは昔から人々に愛されたので、”尊い”とか”秀でた”という意味を表す”けやけき”という言葉から「ケヤキ」に転じたのではないかといわれています。
春の新緑、夏の緑陰、秋の紅葉、冬枯れの樹形と、四季折々にその姿を楽しませてくれるケヤキ。 さあ、暑い夏の間、緑の日傘で涼を贈り続けてくれたケヤキを見上げて「ごくろうさま」と言ってあげましょう。 |