昔から日本人に親しまれてきたシダレヤナギですが、実は中国原産です。奈良時代に朝鮮を経て渡来しました。水辺を好んで生育し、細い枝がしだれるのが特徴で、落葉樹ですが、葉のついている期間が長いことも好まれ、庭園樹、街路樹、建築物の添景などとして重宝されてきました。
かでも西条八十作詞の「東京行進曲」で歌われる「銀座の柳」は有名です。銀座には、そもそも桜、松、楓が植えられたのですが、埋立地だったために水気が強すぎて、根腐れを起こして枯れてしまいました。そこで窮余の策として、水気に強い柳が植えられたそうです。植木として当時はまだマイナーな存在だったのですが、逆に珍しがられて銀座の名物として親しまれるようになりました。
古来、美人を形容する言葉に柳は多く用いられました。柳のように細くてしなやかな腰つきを「柳腰」、柳の葉のように細くて美しい眉は「柳眉」、長く美しい頭髪は「柳髪」、しなやかな姿を「柳態」と、いずれも柳の容姿が細くしなやかであることかの例えです。
また、英語名willowの形容詞willowyは「きゃしゃですらりとした」という意味。垂れ下がる枝が微風にそよぎ、なよなよとした風情で立つ姿は東西を問わず、いかにも女性的な美しさを感じさせるのでしょう。 |