冬の定番といえば、「炬燵でミカン」。この場合のミカンは、紀伊、四国、九州、東海などの温暖地を主な産地とするウンシュウミカン(温州みかん)と呼ばれるものでしょう。日本のミカンの代表ともいえるもので、温州とは中国浙江省南部の地名に由来しますが、おそらく中国産の種を日本で改良した品種だろうといわれています。
分類上、総称して呼ばれる「ミカン属」にはさまざまな種類がありますが、いずれも相互に交配しやすい性質を持っているので、新種が開発されてきました。
江戸時代にミカンを江戸に輸送し、大儲けしたことで有名な紀伊国屋文左衛門のころはキシュウミカン(紀州みかん)だったと思われますが、その後、新しい品種の温州みかんが主流になったようです。
また、日本のミカンの元祖は万葉植物のタチバナ(橘)ですが、小ぶりで酸味が強く種も多いので、食用としては温州みかんなどの改良種に取って代わられました。
ダイダイ(橙)もミカンの一種ですが、ヒマラヤ原産で中国を経て日本へ渡来し、薬用としても利用されてきました。果実が熟したあとも木に成らせておくと、翌年には果実が青くなる「回青現象」が“若返り”を連想させ、さらに4〜5年間も落果しない実も多いので“代々つながり、縁起が良い”として、お正月の飾り物やお供えなどに用いられます。
また、ユズ(柚子)、スダチ(酢橘)の香りは日本料理に欠かせませんし、冬至にはユズ湯に入る習慣がありますね。
最近では、園芸品種としてさまざまな柑橘類が鉢植えでも楽しめるようになりました。鉢植えのユズやスダチで、料理やお風呂を楽しんでみてはいかがでしょう。 |